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2025/11/17 08:35

💜1. 「偽物」ではない、でも「本来の姿」とも少し違う

アメトリンには、少しややこしい「本物だけど紛らわしい」世界があります。

それは、アメトリンを加工する途中で生まれる“単色部分”の存在です。
原石をビーズやカット石にする際、
アメトリン特有の紫と黄色の境目(グラデーション部分)を活かして研磨するのが理想です。

しかし──
どうしても「紫の部分だけ」「黄色の部分だけ」が残ります。
これらも、同じアナイ鉱山で採れた天然アメトリンの一部
つまり“アメジストのように見えるアメトリン部分”や
“シトリンのように見えるアメトリン部分”なのです。


💛2. アメジストとシトリンを「交互に並べたアメトリン」

この単色部分を活用するため、職人たちは工夫します。
紫(アメジスト部分)と黄(シトリン部分)を交互に並べたデザインを生み出すのです。

見た目には「アメジスト+シトリンのブレスレット」に見えますが、
実際にはどちらもアナイ鉱山産アメトリン由来の天然素材

💬つまり「全部アメトリン」だけど、見た目が紛らわしい。
それでも、職人たちの“無駄にしない知恵”がそこにあるのです。


💎3. アナイ鉱山から生まれる“もうひとつの顔”

実はこの「単色部分」、アメトリン加工の副産物としてだけでなく、
ごく少量ながら純粋なボリビア産アメジストボリビア産シトリンとして
市場に出回ることもあります。

アナイ鉱山では、
アメトリン結晶の中でも、成長時の温度・圧力の差によって
「完全に紫化した結晶」や「完全に黄化した結晶」がまれに生まれます。

これらは極めて少なく、
ブラジル産やウルグアイ産のアメジスト・シトリンとは異なる、
ボリビア特有の柔らかな色味と透明感を持ちます。

特に、

  • ボリビア産アメジスト → ややピンクがかった穏やかな紫色

  • ボリビア産シトリン → 蜂蜜のような黄金色で、熱処理感が少ない

この2種は“アメトリンの源流”を感じさせる存在。
まさにアメトリンのDNAを持つアメジストとシトリンと言えるでしょう。


🌈4. 見分け方と楽しみ方

  • 1粒の中に紫と黄が自然に溶け合う → 「典型的なアメトリン」

  • 紫と黄がビーズごとに分かれて交互に並ぶ → 「アメトリン素材を活かしたデザイン」

  • 全体が紫または黄 → 「アナイ鉱山産アメジスト/シトリン」

どれもアメトリンの“兄弟石”のような存在です。

💡つまり、「色の出方の違い」は生まれた環境と加工の違い。
偽りではなく、自然が作ったバリエーションなのです。


🪶5. ブラジル産アメトリンの謎

市場には「ブラジル産アメトリン」と称したものも見かけます。
しかし、アナイ鉱山はボリビア側に位置しており、
ブラジル側へ天然結晶が運ばれることは少ないのです。

そのため、ブラジル産を名乗るアメトリンの多くは、
ボリビア原石の横流し品かも?
もしくは人工的に熱処理・放射線処理されたアメジスト/シトリンである可能性も考えられます。

天然のアメトリンは自然の温度変化で色が分かれますが、
人工品は化学的処理による“均一で不自然な色分け”を示すことが多いです。


💫6. “すべてはアメトリンから始まる”

アメジストも、シトリンも、アメトリンも──
その根は、ボリビア・アナイ鉱山にあります。

アメトリンは自然の中で、
紫(冷たいエネルギー)と黄(暖かいエネルギー)の
両方が共存できる奇跡の結晶。

その中から、
どちらか一方が強く育ったものが、
ボリビア産アメジストやシトリンとして現れるのです。

💜つまり、「単色のアメトリン」もまた、アメトリンの“もう一つの顔”

あなたが選ぶ一粒一粒に、地球の調和の物語が息づいています。

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