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2025/11/19 21:27
天然石との出会いは、人生のどこかで突然訪れるものかもしれません。
私にとってその瞬間は、まだ天然石の世界をほとんど知らなかった頃、ふと目にした一つのブログがきっかけでした。
🌸1. アメトリンとの出会い — 旅の記録から始まった物語
私が天然石に興味を持つようになったのは、
「誕生石を探して、世界一周~宝石採掘の旅」というブログでした。
著者である石野田奈津子さん夫妻が、世界各地で誕生石を“自分の手で”採掘していく冒険記。
ただ宝石を眺めるだけではなく、
自分の手を土に沈めて石を探し出すという行動力に、私は強く心を動かされました。
「宝石は買うだけじゃない。地球の鼓動に触れながら、自分で見つけることもできるんだ」
そんな価値観の転換が、私の中でスイッチのようにカチッと音を立てました。
それから私は国内の鉱物採取へも足を運ぶようになり、
初めて自分の手で掘り出した水晶は、今でも大切に保管しています。
どんな高価な石よりも胸が熱くなる、私の原点ともいえる一粒です。
そしてブログの中でも特に印象深かったのが、
ボリビア産アメトリンという不思議な石でした。
紫と黄色が一つの石の中に同居する、その不思議な光景に心を奪われ、
そこから私の「アメトリン探求の日々」が始まります。
あらゆるショップを巡り、写真を見比べ、
ときには失敗しながらも、
**「本当に自分が求めるアメトリンとは?」**を探し続けました。
この頃から、私は石を「選ぶ」という行為の奥深さを知りはじめました。
💜2. 恋した瞬間と惹かれた理由 — 光が心を連れていった
私がアメトリンに恋した瞬間ははっきり覚えています。
初めて手にしたビーズブレスレット。
その小さな一粒に光が当たった瞬間――
紫が揺れ、黄色が透け、
まるで夕暮れの空がブレスレットに宿ったような美しさでした。
アメトリンが好きな理由は、大きく3つあります。
1️⃣ 色の魔法 — 紫と黄のグラデーションが心を整えてくれる
アメジストの落ち着きと、シトリンの明るさ。
この正反対の二つの色が一つに溶けあうようなアメトリンの色彩は、
目にするだけで心の呼吸が整い、ふわっと肩の力が抜けます。
人工処理では生まれない“自然のゆらぎ”。
そのやわらかな境界線に、私は深く惹かれました。
2️⃣ 物語を感じる — ボリビアの大地から職人の手元まで
アメトリンはボリビア・アナイ鉱山でしか本格的に産出しません。
その希少性だけでなく、
採掘する人々、選別する人、そして職人の手によってビーズへと生まれ変わる――
その長い旅路のすべてに「物語」を感じます。
一粒の石が、どれほど多くの人の手を経て、
どれほど長い時間を眠り、
そして私の手元に来てくれたのか。
その道のりを想像するたび、胸がじんと温かくなるのです。
3️⃣ 身につける喜び — 自然のリズムが手首で揺れる
ブレスレットとして身につけたとき、
アメトリンの色は動きとともに変化します。
部屋の光、外の光、夕方の光――
同じ石なのに、まるで景色が変わるように違って見える。
「自然の色のリズムを手元に連れて歩ける」
そんな感覚が、アメトリンならではの魅力でした。
💛3. 自分で作る喜び — “買う”から“創る”へ
アメトリンの魅力を深く知るほど、
私は「自分の手でブレスレットを作ってみたい」と思うようになりました。
そして思い切って海外の業者からアメトリンを仕入れ、
自分の手でビーズブレスレットを組み、
ECサイトで販売する道へ進みました。
最初は分からないことばかりで、
届いた石が思っていたものと違ったり、
組んだデザインに納得できなかったり。
試行錯誤の連続でした。
けれど、石を選び、形にし、
それが誰かの手元で新しい日々を歩みだす瞬間――
その喜びは、言葉で言い表せないほど大きなものです。
アメトリンは単なる天然石ではありません。
自然の色、時間、そして人の手がつくり上げた“物語”そのもの。
それをブレスレットという形でお届けできるようになったことは、
私にとって宝物のような体験です。
💎終わりに — 恋は今も続いている
アメトリンに出会ってから今日まで、
私は何度も何度もその魅力を再発見してきました。
色のゆらぎも、光の変化も、石に込められた物語も。
アメトリンは、出会ったときからずっと、
私の心を惹きつける存在です。
これからもきっと、私はアメトリンに恋し続ける。
一粒の石がくれたこの旅は、まだ終わりそうにありません。

